【数字で覚える】ファイブアンドハーフとプラスツーの振り方|ビリヤードのクッションシステム

クッションシステム練習アプリ(ファイブアンドハーフ&プラスツー) レッスン

「クッションシステム、教わったときは分かったのに、試合になると出てこないんです」

レッスンでいちばん多い相談のひとつです。原因のほとんどは、記憶力ではなく数字の振り方があいまいなまま覚えようとしていることにあります。基準がぐらぐらしているので、緊張してストロークが短くなる場面では、なおさら思い出せません。

この記事では、ポケットビリヤードでよく使う2つのシステム「ファイブアンドハーフ」と「プラスツー」について、テーブルのどこに何番を振るのかを整理します。数字さえ体に入れば、あとは足し算と引き算だけです。どちらも手球に半タップほどの順ひねり(2ひねり)を入れて撞くのが前提になります。

そもそもクッションシステムとは何か、どんな場面で使うのかは、【よく当たる】ビリヤード上達の鍵!クッションシステムを使ってピンチを脱出しようで解説しています。はじめての方はこちらから読んでいただくと分かりやすいです。

クッションシステムは「正解」ではなく「基準」

最初にお伝えしておきたいのは、システムの数字はそのまま入る魔法の答えではないということです。ラシャの新しさ、湿気、クッションの反発、その日のショットスピードで、到達点は簡単に半ポイントくらい動きます。

それでも覚える価値があるのは、システム「基準」になるからです。基準があれば「今日の台は半ポイント短い」と補正できます。基準がなければ、外れたときに何を直せばいいのかも分かりません。まずは計算どおりに撞いてみて、自分の台とのズレを覚える。これが上達の順番です。

ファイブアンドハーフシステムの数字の振り方

手球が通るコース

手前の長クッション側から撞いて、向こうの長クッション(1クッション目)→ 短クッション(2クッション目)→ 手前の長クッション(3クッション目)と回すコースです。3クッション目に的球があるときのキックショットや、球をよける場面で使います。

3つの数字

  • 手球位置:手前の長クッション、手球側のコーナーが50。1ポイントごとに5ずつ減って、サイドポケットが30、いちばん奥のポイントが15です(反対のコーナーには数字を振りません)。手球側の短クッションに乗ると、コーナー50から1ポイントごとに10ずつ増えて60・70・80・90。
  • 狙い点(1クッション目):向こうの長クッション。奥のコーナーを0として、1ポイントごとに10ずつ増える。
  • 到達点(3クッション目):同じ手前の長クッションですが、手球位置とは別の物差しです。奥のコーナーを0として1ポイントごとに10ずつ増え、サイドポケットが40、手球側のコーナーが80。

ここがいちばん間違えやすいところです。手前の長クッションには2種類の数字が乗っています。手球を置く位置を読むときは5刻みの数字(50・45・40…)、手球が返ってくる位置を読むときは10刻みの数字(0・10・20…)を使います。

ファイブアンドハーフ。手球位置50から狙い点30を通して到達点20になるライン
50 − 30 = 20。基本になる一本です

計算式と代表的なライン

到達点 = 手球位置 − 狙い点/ 逆算すると 狙い点 = 手球位置 − 到達点 です。

手球位置狙い点到達点覚え方
501040サイドポケットへ
503020基本の一本
402020手球が下がったとき
703040短クッションから
手球位置70(短クッション)から狙い点30を通して到達点40になるライン
手球が短クッション側にあるとき。手球位置70 − 狙い点30 = 到達点40

まずは手球位置50の一本だけを、狙い点を変えながら繰り返してください。計算より「狙った1クッション目にきちんと入れる」ほうが何倍も難しいので、そこを体で覚えるのが先です。

サイドポケットまわりだけ注意

狙い点の40は、ちょうどサイドポケットの真ん中にあたります。ポケットの口にはクッションがないので、そのままでは狙えません。実際はポケットより少し右側(数字の大きい側)のクッションを狙います。ここを知らないと、40のラインだけ毎回ズレて「システムは当てにならない」と感じてしまいます。

狙い点40はサイドポケットの位置。実際はポケットの少し右のクッションを狙う
狙い点40は「実際の狙い目」がポケットの少し右にずれます。50 − 40 = 10で、到達点は奥のコーナー寄りへ

到達点のほうも同じで、40は手前のサイドポケット、0と80はコーナーポケットの位置です。的球に当たらなければそのままスクラッチになるので、狙う前に厚みを確認しておきましょう。

到達点30は手前のサイドポケット。赤い輪でスクラッチを警告している
到達点40は手前のサイドポケット。50 − 10 = 40のラインです

プラスツーシステムの数字の振り方

手球が通るコース

長クッション際の手球で、短クッション(1クッション目)→ 向こうの長クッション → 手前の長クッションと戻してくるコースです。ワンクッションでは薄すぎて当たらない、という場面の逃げ道になります。出しにも使えます。

3つの数字

  • 手球位置:手球のいる長クッション。狙う短クッション側のコーナーを0として、1ポイントごとに1・2・3…と増えます。
  • 狙い点(短クッション):向こう側のコーナーポケットが0、そこから1ポイント目が3、2ポイント目が5、3ポイント目が7
  • 到達点:手球位置と同じ物差しで読みます。

コーナーから1ポイント目までだけ数字が3つ飛ぶのが、このシステムのクセです。0・3・5・7と口に出して覚えてしまうのが早いです。

計算式と、まず覚えるライン

到達点 = 手球位置 + 狙い点。足し算だから「プラス」です。たとえば手球位置1から短クッションの3を狙えば、到達点は4になります。

プラスツー。手球位置1+狙い点3=到達点4のライン
まず覚える3のライン。手球位置1 + 狙い点3 = 到達点4

まず覚えるのは3のラインです。手球位置に3を足すだけなので暗算も速く、再現性もいちばん高い一本。ここを基準にして、慣れてきたら4・5のラインへ広げてください。1や2はわずかなズレが大きく響き、6以上はコンディションの影響を受けやすいので、後回しで構いません。

プラスツー。手球位置2+狙い点5=到達点7のライン
慣れてきたら5のライン。手球位置2 + 狙い点5 = 到達点7

撞き方が変わると数字も変わる

どちらのシステムも、手球に半タップほどの順ひねり(2ひねりを入れて撞くことが前提です。ひねりが入っていない、あるいは入れすぎていると、計算どおりのラインにはなりません。スピードの目安は、ファイブアンドハーフがスーッと流すくらいの中速、プラスツーはバンキングよりやや強め。名前の「プラスツー」も、このひねり量が由来とも言われています。

ひねりの量やスピードが毎回違うと、計算が合っていても到達点はバラバラになります。数字を疑う前に、撞き方を固定する。ここが一番の近道です。

練習の順番

  1. 数字を覚える:台の前で、手球位置・狙い点・到達点を指さしながら口に出す。
  2. 一本を反復する:ファイブアンドハーフなら手球位置50から、狙い点を10ずつ変えて到達点を確認する。
  3. 自分の台の補正を覚える:計算値と実際の差をメモする。半ポイント伸びる台なのか、止まる台なのか。

ここまでやって、はじめて試合で使えるようになります。逆に言えば、ここまでやれば必ず使えるようになります。

練習用のアプリを公開しました

台が無いときでも数字を確認できるように、スマホで動くクッションシステムの練習アプリを作りました。クッションシステム練習アプリのページで、無料・登録不要でそのまま使えます。画面と操作方法をご紹介します。

① ファイブアンドハーフの画面

ファイブアンドハーフの画面。手球位置50・狙い点30・到達点20のラインが表示されている
手球位置50から到達点20へ。狙い点が30と自動で計算されます

画面のいちばん上に「手球位置 − 狙い点 = 到達点」が大きく出ます。テーブルの下の数字が手球位置と到達点、上の青い数字が1クッション目です。

操作は白球(手球)と黄球(到達点)を指でドラッグするだけ。スライダーや+−ボタンでも動かせます。「狙い点を求める」と「到達点を予測する」はボタンで切り替えられるので、順算・逆算のどちらの練習もできます。逆まわりを確認したいときは「テーブルを左右反転」を押してください。

狙い点を40にすると、サイドポケットにかかっていることを知らせる案内が出て、実際に狙うクッションの位置も図の上にずれて表示されます。到達点がポケットの位置に来たときは赤い輪でスクラッチを警告します。

② プラスツーの画面

プラスツーの画面。手球位置1・狙い点3・到達点4のラインが表示されている
まず覚える3のライン。手球位置1+狙い点3=到達点4。短クッションの数字は0・3・5・7

こちらは足し算です。短クッションの数字(0・3・5・7)は覚えにくいので、画面の右側にそのまま出しています。まず覚えたい3のラインから外れると「誤差が出やすい」と注意が出るようにしました。

③ クイズで数字を体に入れる

クイズ画面。手球位置75から3クッション目35に運ぶ狙い点を4択で答える
4択のクイズ。答えると正解のラインが図で表示されます

数字だけを繰り返すクイズモードです。答えるとその場で正解のラインが図に出るので、計算と球筋を一緒に覚えられます。正解数と連続正解が出るので、レッスンの待ち時間にもどうぞ。

アプリはこちらから使えます → クッションシステム練習アプリ(ファイブアンドハーフ&プラスツー)。「こういう数字も入れてほしい」というご要望があれば、ぜひレッスンのときに教えてください。アップデートしていきます。

まとめ

  • ファイブアンドハーフ:到達点 = 手球位置 − 狙い点。手球位置は手球側コーナー50の5刻み、到達点は奥のコーナー0からの10刻み(サイドポケット40)。
  • プラスツー:到達点 = 手球位置 + 狙い点。短クッションはポケット0・1ポイント目3・2ポイント目5・3ポイント目7。まず覚えるのは3のライン。
  • 狙い点40はサイドポケットの位置。ポケットより少し右のクッションを狙う。
  • どちらのシステムも、手球に半タップほどの順ひねり(2ひねり)を入れて撞く。
  • 数字は基準。撞き方を固定して、自分の台とのズレを覚える。

富山ビリヤード体験スクールでは、こうしたシステムの使い方も、実際に台の前で一緒に確認しながらお伝えしています。「キックがまったく当たらない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

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